設立のご案内

研究会設立のご案内

痤瘡(ざそう)は,にきび,アクネ,吹出物などと表現される皮膚の慢性炎症性疾患です。 しかし,思春期に90%以上の方が経験することから,疾患として十分認識されておらず,これまで洗顔や食生活に気をつけるといったスキンケアや生活習慣の改善による対処が行われていました。

21世紀に入り,日本の医療は目覚ましい発展を遂げています。 痤瘡治療についても例外ではありません。抗菌薬やアダパレンのような保険適応のある塗り薬が承認され,治療方法の幅が広がっています。 一方で,マスメディアではにきび用化粧品のコマーシャルが盛んに放送され,医療機関における治療よりも効果が高いかのごとき誤解も生じかねない状況です。

そのような背景のなかで,2008年に日本皮膚科学会の『尋常性痤瘡治療ガイドライン』が策定され,エビデンスに基づく標準的な治療法が示されました。 しかし,未だに再発を繰り返していたり,医療機関への受診が遅れたりして,瘢痕を残してしまっている例を経験します。 その原因として,皮膚科専門医による啓発活動が不十分であることや,患者さんが現状の治療法に十分満足していないことが考えられます。

このような現状を打破すべく,標準的な治療の普及と新しい治療法の確立が必要と考えました。 そこで,患者さん向けに皮膚科専門医による痤瘡に対する正しい知識とその治療の啓発・普及活動を行うと同時に,痤瘡研究者の意見交換の場をつくり,痤瘡の基礎研究や疫学調査,臨床研究を推進し,エビデンスに基づいた治療法の確立に寄与することを目的に,「日本痤瘡研究会(Japan Acne Research Society:JARS)」を設立しました。

是非,趣旨にご賛同いただき本会をサポートして頂ければ幸いです。

日本痤瘡研究会 理事長
林 伸和

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