ご挨拶

「子どもたちの生きづらさ」をひしひしと感じる今日この頃です。

二次性徴による身体的・精神的緊張を抱えたうえに、学校で、友人関係で、家庭で、さらに緊張を強いられる子どもたち。思わず踏み込んだ社会の闇に足を取られ、生命を脅かされる事件も後を絶ちません。

一方で、家族による虐待から逃れられない子どもたちの苦痛と絶望にも、私たちは言葉を失います。 反面、時として思春期世代が加害者となる現実も存在しています。

子どもたちの背景には、無事に育つことが不思議に思われるほどの緊張と危機に満ちた環境が浮かび上がるのです。

学校の保健室、医療機関、相談窓口などで、日常的に子どもの悩みに寄り添う大人たちは、彼らの辛さをより強く実感しているようです。そして、その大人自身も、子どもとの対応に悩んでいます。

そこで、今大会では、思春期の危機を身体的・心理的・社会的側面から捉え、さまざまな立場からの現状報告、学際的立場からの問題点の分析、対応策の提案・検討などにより、"思春期の危機"に向き合う大人たちの判断力、即戦力を高めることを目指したプログラムを組みたいと考えております。

また、日中の講演やシンポジウムとは別に、敷地内の木づくりコテージを利用したイブニングセミナーを開きます。よりカジュアルな環境で、自由に、各自が興味を持つテーマについて掘り下げた討論を展開していただく予定です。

後日、プログラムの詳細が決定致しましたら、ホームページを通じて、順次お知らせいたします。楽しみにお待ちください。

では、2012年夏。軽井沢で、多くの皆さまとお会いできますように。


第31回日本思春期学会総会・学術集会
会長 家坂清子

ぐんま思春期研究会会長