ご挨拶

故太田和夫先生が作られ、大平整爾先生が引き継がれた腎不全外科研究会は2011年に20回目を迎えることとなりました。この、記念すべき第20回大会をお世話するようご指名をいただきましたので、一言ご挨拶させていただきます。

はじめに、この腎不全外科研究会を通し、腎不全外科的な治療法をより進化させることにより、腎機能を失った人々の苦しみを少しでも軽減することに寄与すると言う、故太田和夫先生の教えとその遺志は私達に受け継がれていると、私は信じております。

現在、慢性腎不全による透析患者の数は、その増加率はやや減少しているものの、依然年間約1万人ずつ増えております。そのすべては、何らかの透析アクセス、すなわちバスキュラーアクセスあるいはペリトネアルアクセス、そして腎移植を必要としています。日本の血液透析のクオリティーの高さは誰もが認める所ですが、あまりに血液透析に比率が多いことも事実であり、生存率や社会生活上のQOLを考えても腎移植や腹膜透析とのバランスが取れた腎代替療法が行われても良いのではないかと考えております。また、2010年7月からは臓器移植法が改正施行され、腎機能を失った方々がより多く腎移植の恩恵を受けられるのではないかと考えられます。今回、横浜駅にあります横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズにおきまして、第20回日本腎不全外科の学術集会を開催いたします。古くから、海外にも広く目を開き、近代日本の文化発展にも寄与して来た港町、横浜に医師だけではなくあらゆる領域の看護師、臨床工学士など多くのコメディカルの方々にもご参加をいただき、腎不全外科を軸に、よりバランスの取れた腎代替療法を目指した積極的な意見交換、そして研鑽を積む場として実りある学術集会となるようなプログラム編成を目指しております。

是非、多くのみなさまのご参加を心よりお待ちいたします。

なお、今大会の直後に、同じ会場で、第13回日本アクセス研究会セミナーが引き続いて開催されますので、同時にご参加いただければと思います。



第20回 日本腎不全外科研究会
大会長 吉田一成

北里大学医学部泌尿器科