2021年10月17日（日）、順天堂大学本郷キャンパスにおきまして、第1回神経消化器病セミナーの開催の機会をいただき大変光栄であると同時に、大きな責任を感じております。

　近年、機能性消化器疾患が着目されるようになり、様々な研究が進んでいます。日常診療でありふれた疾患で有り、IBS,FDのガイドラインも相次いで改訂されております。神経消化器病学会は先生方の最先端の研究の発表の場であるとともに、この領域の牽引役となっております。神経と機能、神経と器質疾患を結ぶとても興味深くそして奥深い学問であると感じておりますが、一方で、若手の先生にとっては、「実態が見えない」「難しそう」「とっつきにくい」と感じられる方もいるかも知れません。こうした状況から、三輪洋人理事長より、欧米では、神経消化器病学会での数日間のセミナーが毎年行われている。日本でも、若い先生に消化管機能について、興味を持ってほしい、そして若い柔軟な頭脳で日本の神経消化器病学が世界の牽引役になって欲しい、ついては学会セミナーを企画してほしいとのミッションを頂きました。そこで、学術委員会が組織されました。委員全員で、プログラムを練り上げてまいりました。一方通行の講義だけでは、理解が深まりません。委員の先生方と、幾度となくwebミーティングを重ね、ライブデモ、ハンズオン、症例検討会などを盛り込んだ充実したプログラムが完成いたしました。委員の先生方に感謝いたします。1日ではありますが、神経消化器病学の楽しさを実感していただければと存じます。

　じつは、昨年の秋に開催予定でしたが、対面で実施したいとの思いから、延期いたしました。開催方式は、感染対策に万全の予防策を講じた上で、会場開催を予定しておりますが、COVID-19の感染状況により、Webを併用も検討しております。

　より身近な神経消化器病学への扉は開かれました。先生方のご参加を心よりお待ちしています。

第1回 日本神経消化器病学会セミナー　会長
順天堂大学医学部消化器内科
　永原　章仁